相続時精算課税制度を適用していたことが発覚したケース
ご相談時の状況
父が亡くなり、長男から相続税のご相談をいただきました。
父は94歳と高齢で亡くなられました。
長男は父と同居しており、長女は実家の近くに住んでおり、次男は県外に住んでいました。
相続人たちは今回が初めての相続で何から手をつけていいのか分からない状態でした。
また、父は不動産を賃貸していた為、不動産収入があり、毎月確定申告を行っていました。
財産と相続人について
相続財産:1億円(現預金300万、自宅、貸地、貸家、農地、出資金)
相続人:配偶者、長女、長男、二男
新潟・長岡相続税サポートセンターからのサポート内容
まずは、4か月以内までに死亡までの準確定申告を行い、それから相続税申告というスケジュールで進めていきました。
相続人の意向としては「長女は実家から出ているし、次男は県外に住んでおり、母は高齢である為、財産はなるべく長男が相続する方向でお願いします」との事でした。
小規模宅地の特例や配偶者控除を活用し、なるべく相続税がかからないように滞りなく申告を進めていきました。
ところが、申告期限日に過去に長女と長男が相続時精算課税制度を適用していることが発覚しました。
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した時に選択できる制度です。
制度を選択した以後に贈与された財産は、相続発生時に加算することとされています。
また、贈与税の110万円控除(暦年贈与)の適用も受けれなくなります。
長女は相続時精算課税制度適用時に受けた贈与、長男は相続時精算課税制度適用以後にも何回か贈与を受けていた為、それをすべて相続税に組み入れて申告を訂正しました。
全ての業務が完了し、納品させていただいた際に長男の方から「迅速に対応してくれ、期限内に訂正し、申告することができました。ありがとうございました。」との声をいただきました。